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金色の背徳 第28話

2009/03/03 18:16 

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    第五章 若妻の憂いと悦び

 夫と叔母がビルの屋上で痴態の限りを尽くしている頃、それを露ほども知らない繭美は、一人の男の訪問を受けていた。
 午後九時過ぎである。
 人の家を訪ねるのに決して相応しい時間帯とは思われない。夫の留守中であり、隣家の義母も外出している。従兄妹とはいえ、彼女は不審な気持ちを抱きながら彼を迎え入れた。
「どうしたのこんな時間に? 前もって電話でもくれれば良かったのに」
 そんな思いを悟られぬよう、普段どおりに言った。
「近くまで来たもんだから、ちょっと君の顔を見ようと思って」
六つ年上の従兄、啓太は悪びれずに応えた。
――いつもと違う――
 オドオドした、他人の顔色ばかり窺っている啓太ではない。繭美は本能的に嫌な予感がした。
「西条は? 留守?」
「ええ。さっき電話があったから、もうそろそろ帰ると思うけど。駿策さんに何か御用でも?」
 とっさにデタラメを言った。
 何やら異様な雰囲気を携えている今の啓太に、不気味な思いを拭えない。
「そうか、じゃああんまりゆっくりできないね」
 ソファで足を組みながら、悠然とした態度だ。
「あの人に御用じゃないの?」
「ああ、違うよ。君に用があって来たんだ」
「わたしに?」
 繭美の不審はますます募る。
 これまで啓太が一人でこの家を訪れたことなど一度もない。もちろん彼女たち夫妻で呼んだこともないのだ。よりによって夫も義母も留守だというこの時に、何の用だというのだろうか。
「何か困ってるんだろう? 僕が相談に乗るよ」
「え?」
「だからさ、伯父さんがあんなことになって、君もいろいろ大変だろうと思って。俺たち従兄妹だろう、助け合わなきゃ」
 それだけ言い放つと、繭美の承諾も得ずに煙草を咥えた。彼女の顔をチラリと見て、カチッとライターを鳴らす。
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――夫でさえこのリビングでは煙草を吸わないのに――
 さすがに繭美も苛立ちを覚えたが、生来の謙虚さがそれを留め、
「どういうこと? わたしには分からないけど」
 ソファに座って腕組みをした。お茶も出さないのが、彼女の精一杯の意思表示だ。
――もしかして財産のこと?――
 父が倒れてからというもの、繭美の周りでは海原家の資産の話ばかりだ。義母も叔母も財産を挟んでお互いを罵り合っている。そこへこの啓太も加わりたいとでも言うのであろうか。
「彼はいつもこんなに遅いの? 新妻をほったらかしにして」
「お蔭様で仕事が上手くいってるみたい。今月一杯はてんてこ舞いだって」
 啓太の悪意ある言葉を聞き流し、繭美は微笑さえ浮かべた。
 義母も叔母も決して悪い人ではない。ただ、父が倒れたことで動転しているにすぎないのだ、繭美はそう好意的に解釈していた。
――わたしの周りでお金の話をしないのは駿策さんだけ――
 夫の清廉さを繭美は誇りに感じた。
「そりゃ結構なことだね、本当に仕事なら、だけど」
「どういう意味?」
 妙に自信ありげな様子が、何とも言えないほど気持ち悪かった……。

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