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金色の背徳 第43話

2009/04/17 21:37 

「タイミングいいわね。ちょうどあたしも連絡しようと思ってたとこ」
 駿策の電話の相手は、玲緒奈だった。
「今時間はいいのか?」
「ええ、大丈夫よ。それよりさっき海原から電話があったの」
 さすが愛娘の頼みとあって、行動が素早い。
「それでね、涼子をまた顧問弁護士に戻すって。どういうことなのかしら?」
 やはり少し立腹気味だ。
 駿策はさっきまでの病室でのやり取りを詳細に伝え、
「そういうわけで、繭美がどうしてもって言うんだ。それで義父も押し切られて」
「あなたはそれでいいわけ?」
 鋭い一撃が食い込んできた。謀略とはいえ、涼子と関係をもった駿策へ複雑な思いがあるのだろう。
「正直……、難しいな。ただ繭美は意外に頑固な一面があって、俺もそれとなく説得したんだけど、意思は固いよ」
「情が移った、なんて言わせないわよ」
 涼子の話しとなると手厳しい。
「そんなわけないだろう。もう涼子とのことは忘れてくれよ。それにお前があの写真を握っている限り、弁護士先生だってこれまでみたいな振る舞いはできないさ」
「それはそうだけど……」
「ここであんまり反対しても、繭美や義父の心証を悪くするだけだと思うんだ。別に弁護士先生が復活しても、お前の地位が脅かされるわけじゃなし、それほど心配はいらないと思うけどな」
 玲緒奈の優位性をしっかり強調した。
「でもね、あの女に対してはどうしても感情的になっちゃうのよ」
「お前らしくないよ、そんなの。素直に認めて、義父と繭美に恩を売っておくのも悪くないぞ」
「まあね、頭では分かってるのよ」
 怜悧な頭脳で、感情に流されることはない女だ。
「大事の前の小事さ。それくらい認めてやれよ」
「……分かった、そうするわ。涼子に会わなければいいだけのことだものね。もっとも、向こうだって会いたくないでしょうけど」
 遠まわしの説得に、玲緒奈はようやく折れたようだ。さすがに切り替えも早い。
「ねえ、それより早く会いたいわ。明日は大丈夫なんでしょう?」
 涼子の件に決着がつくと、とたんに愛人の声色に変った。
「ああ、一日お前に尽くすよ」
「約束よ。たっぷり尽くしてもらわないと、割りに合わないわ。久しぶりなんだし」
 やはり寂しいのか、声が妙にしおらしい。
「分かってるよ」
「じゃあ明日、駅まで迎えに来て。専務とは別々に帰るから」
 甘えるようなすねるような、彼女独特の響きだ。
「了解。どこかホテルを予約しておく」
「お願いね。夜までたっぷりよ」
 媚びるような言葉を残し電話は切れた。
 表面上は涼子と切れたと見せかけながら、裏で結ばれていることは、紛れもなく玲緒奈への背信だ。そして玲緒奈と涼子の二人と継続的な肉体関係をもっている事実、これは繭美に対する重大な不貞行為だ。さらに仇敵である玲緒奈との蜜月は、涼子の信頼への裏切りである。
 彼を中心に玲緒奈、繭美、涼子が三本の糸で繋がっている。いずれか一本の操作を誤れば、いっぺんに破滅するおそれがある。
――気を引き締めなければ――
 玲緒奈は涼子を放逐したことで安心しており、今は社業に力を入れている。涼子は玲緒奈の身辺を探っているが、聡明な彼女がボロを出す心配はない。繭美はよほどのことがない限り、駿策に疑惑を持つことはないだろう。
――しかし海原が死ねば――
 もし義父に万一のことがあれば、財産問題が表面化してくる。そうなると三人の女の微妙なバランスが崩れ、彼が窮地に陥る可能性がないとは言えない。つまり、
――海原に死んでもらっては困る――
 三人との良好な関係を続けていくためには、たとえ長期の入院であろうと、海原には生きていてもらわなければならない。駿策の心はしだいに傾いていく……。




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